Sil-Q マ ニ ュ ア ル (日本語版)
「エルフの歌がなお世に鳴りわたり、ドワーフの鎖帷子が輝いていた
中つ国の第一紀。アングバンドの暗き広間を歩き、黒く恐ろしき者
どもを討ち、モルゴスの鉄の王冠から輝くシルマリルを一つ、
もぎ取ってくるがよい。」
読み方 ―――――――――――――――――――――――――――――
ESC 閉じる Space 次の頁 - 前の頁
2 8 / 矢印 一行ずつ送る 7 先頭へ 1 末尾へ
/ 語を探す & 語を光らせる
# 行番号へ飛ぶ(目次の右端の数字を打ち込む)
目次
0 このマニュアルについて
このマニュアルは Sil-Q の規則を日本語で説明したものである。技を選ぶ、罠を避ける、歌を歌う、鍛冶場で打つ――遊ぶのに要ることは、ひととおりここに書いてある。
ここに書いてある数は、いま遊んでいるこの版のものである。 古い版の説明書と数が違うところがいくつかあり、そこは §17 に並べてある。
読む順は上から順でよいが、急ぐなら §2 だけ読んで潜ってしまってよい。判らなくなったらここへ戻ってくればよい――このマニュアルはいつでも ? を押してから m で開ける。頁は左右で送り、ESC で閉じる。
1 Sil-Q という遊び
1.1 何をする遊びか
あなたはエルフか、ドワーフか、人間として、モルゴスの砦アングバンドに忍び込む。地下千 ft まで降り、玉座の間にモルゴスを見つけ、その鉄の王冠からシルマリルを一つ奪って生きて戻る。
これは「モルゴスを倒す遊び」ではない。倒す必要はないし、倒そうとするのは筋が悪い。奪って、逃げる。それが勝ちである。
どうやって入り込んだのかは語られない(変装か、謀か、それとも囚われたのか)。ただ代償は高くついた――あなたは武器を持っていない。わずかな食料と灯りだけを抱えて、坑道のいちばん浅いところに立っている。最初の仕事は武器を見つけることである。
1.2 ローグライクの作法
Sil-Q はローグライクと呼ばれる系譜に属する。要点は三つ。
- 階は毎回作り直される。 同じ地図は二度と出ない。覚えるべきは地形ではなく、敵とアイテムの性質である。
- 死んだら終わりである。 生き返る手立ては無い。危ないと思ったら退くこと。退くのは負けではない。
- アイテムは最初、正体が判らない。 薬も指輪も角笛も、飲み、はめ、吹いてみるまでは何か判らない。判ったものは以後ずっと憶えている。
字だけで描かれるのは、絵が無いからではなく、絵より読み取れるものが多いからである。# は壁、. は床、@ はあなた、大文字と小文字の英字はそれぞれ一種類の敵を表す。記号の一覧は ? の二枚目にある。
1.3 変愚蛮怒から来た人へ
同じ画面まわりを持っているが、中身はほとんど別物である。特に次の点に気をつけること。
- 職業も経験レベルも無い。 代わりに技能が八つあり、経験点で直接買う。
- 町が無い。買い物も無い。金貨も無い。「帰還の巻物」も無い。降りたら降りたきりである。
- 魔法らしい魔法が無い。 火の玉も瞬間移動も無い。あるのは歌である――恐れの歌、眠りの歌、縛めの歌。
- 生命力は経験で増えない。 耐久だけで決まる。0 で死ぬ(-1 ではない)。
- 速さは 1・2・3 の三段だけ。 ふつうが 2 なので、+1 は「五割速い」を意味する。
- 未鑑定の見分けは
{特別}だけである。銘のあるアイテムと特殊なアイテムがまとめてそう呼ばれる。 - 掘れるのは円匙と鶴嘴だけ。 素手や剣で壁は掘れない。
2 最初の 30 分
初めてなら、種族はノルドール、家はフィンゴルフィンの家を選ぶとよい。いちばん易しい。種族は難易度そのものだと思ってよい(§4.1)。
能力値の 13 点は、迷ったら腕力 1・敏捷 3・耐久 2・恩寵 0 あたりに置く。技能は打撃と回避を厚くしておけば、しばらくは死なない。
潜ったら、次の順に手を打つ。
- 武器を探す。 素手では話にならない。
|/\の記号を拾う。 - 拾ったら
xで見る。 数字の読み方は §7.2 にある。 - 一体ずつ相手にする。 囲まれると回避が急激に落ちる(§7.3 の「取り囲まれ」)。廊下へ退がって、一体ずつ通す。
5かzで待つのを憶える。ただ待つだけで音が小さくなり(§10)、傷も塞がる。- 深さを稼ぐ。 浅い階に居座っても強くはなれない。むしろ浅い階へ戻れなくなる(§3.2)ので、時が来る前に降りておく。
Tab で技能と能力の画が開く。経験点が貯まったらここで使う。何を買えばよいか判らないうちは、技能に直接積んでおけばよい(能力より安く、無駄になりにくい)。
3 アングバンドの坑道
3.1 階段と深さ
サンゴロドリムの下、地下深くにアングバンドの坑道が広がっている。とりとめもなく広く、いったん通り過ぎた場所へ戻る道はまず見つからない。
階段は上下 50 ft を繋ぐ。ときおり竪坑があり、そちらは一気に 100 ft 落ちる。深いところほど、モルゴスの手下の中でも大物が出る。
深さは画面の右下に 550 ft のように出る。その下の min 550 ft は「もうこれより浅くは行けない」という線である(次節)。
3.2 引き返せない
モルゴスの闇の力は、アングバンドに入ってきたものを残らず自分のほうへ引き寄せる。抗えるのは束の間で、時が経つにつれて浅い階への道が見つからなくなる。人物表と画面右下の min ... ft の欄がその線を示す。
地上へ戻れるのは、シルマリルを手にしたときだけである。
この決まりがあるおかげで、浅い階でこつこつ力を蓄えるという遊び方はできない。玉座の間に立てるだけの力を間に合わせるには、危険も実入りも大きい深みへ、さっさと降りていくしかない。
なお、短い間に階段を何度も使うと道を見失いやすくなり、思わぬ方向へ出たり、うっかり罠を踏んだりする。
4 種族と家
4.1 種族
Sil-Q の種族は互いに釣り合っていない。釣り合わせていないのは意図してのことで、種族はそのまま難易度として働く。
種族 腕力 敏捷 耐久 恩寵 素質・心得 難度
-----------------------------------------------------------------
ノルドール 0 +1 +2 +2 弓の心得/歌唱の素質 易しい
シンダール -1 +1 +2 +1 弓の心得/歌唱の素質 やや難
ナウグリム 0 -1 +3 +1 斧の心得/鍛冶の素質 やや難
射撃が苦手
エダイン 0 0 0 0 (何も無い) 難しい
初めてならノルドールを選ぶ。ナウグリムとシンダールはひと癖あるが面白い。エダインは腕試しだと思ってよい。
4.2 家
種族の中では、家はおおむね同じ強さに作られている。選べる家は種族で決まる。
家 腕力 敏捷 耐久 恩寵 素質
------------------------------------------------------------
ノルドール
フェアノールの家 0 +1 0 0 鍛冶
フィンゴルフィンの家 0 0 +1 0 意志
フィナルフィンの家 0 0 0 +1 知覚
シンダール
ドリアスの者 0 0 0 +1 歌唱(種族と重なり熟達)
ファラスリム 0 +1 0 0 射撃(種族の不得手を相殺)
ナウグリム
ノグロドの家 0 +1 0 0 鍛冶(種族と重なり熟達)
ベレゴストの家 +1 0 0 0 意志
エダイン
ベオルの家 0 0 0 +1 回避
ハレスの家 0 +1 0 0 隠密
ハドルの家 +1 0 0 0 打撃
種族と家の素質が同じ技能に重なると、熟達になる(下)。ドリアスの者の歌唱と、ノグロドの家の鍛冶がそれである。
4.3 素質・苦手・心得
素質 (affinity) 技能値 +1、その技能に繋がる能力が 500 点安い
=最初の一つが只になる
熟達 (mastery) 素質が二重に掛かった状態。技能値 +2、
能力は 1000 点安い(最初の一つはやはり只)
苦手 (penalty) 技能値 -1、能力は 500 点高い
心得 (proficiency) 特定の武器を持っているあいだ打撃 +1
エルフは弓、ドワーフは斧
5 能力値
能力値は四つで、作成時に 13 点を割り振る。値を 1 上げるごとの費用は三角数――1、3、6、10、15、21 と嵩んでいく。したがって一つを高く積むより、二つを中くらいに置くほうが安い。
能力値を上げる薬は無い。 種族・家の補正と、いくつかの能力(各技能の末端)と、鍛冶で作ったアイテムだけが動かす。だから最初の割り振りは重い。
腕力 (Str)
- 打撃のダメージのダイスの面を増やす(ただし武器の重さが上限。§7.4)
- 弓の射程が伸びる(射程はダメージから決まるため)
- 持てる重さが 1 点につき 2 割増える(素で 100 lb)
- 物を 1 点につき 2 割遠くへ投げられる
- 重い武器を苦もなく振れる
- 武器を叩き落とされにくくなる/蜘蛛の巣を破りやすくなる
- 閂の掛かった扉を体当たりで壊しやすくなる
敏捷 (Dex)
- 前半四つの技能――打撃・射撃・回避・隠密――に上乗せされる
- 箱の毒針を避けやすくなる
耐久 (Con)
- 生命力が 1 点につき 2 割増える
恩寵 (Gra)
- 後半四つの技能――知覚・意志・鍛冶・歌唱――に上乗せされる
- 声(歌を歌う元手)が 1 点につき 2 割増える
能力値が吸われると、人物表でその欄が黄色くなる。時が経っても戻らない。戻すアイテムを見つけるしかない。
6 技能と判定
6.1 判定の形
Sil-Q のほとんどすべては技能判定で決まる。形はいつも同じである。
1d10 + こちらの技能値 > 1d10 + 難度
左が右を上回れば成功。同じでは失敗である。どれだけ上回ったかが効くこともある(会心の一撃、歌の効き目、警戒の上がり幅)。
難度は相手の技能であることが多い。殴るなら相手の回避、忍ぶなら相手の知覚が難度になる。相手の居ない判定(罠を見つける、意志で堪える)では、深さなどから決まった数を使う。
戦いの三技能――打撃・射撃・回避――だけは 1d10 ではなく 1d20 を振る。 幅が広いぶん、技能差が同じでも番狂わせが起きやすい。
呪われている間は、あなたの側だけ二度振って悪いほうを採る。じわじわとすべてが狂う。
6.2 8 つの技能
打撃 (Melee) 殴って当てる。難度=相手の回避
十分に上回れば会心の一撃(§7.5)
投げた武器を当てるのにも使う
モルゴスの王冠からシルマリルをこじり出すのにも使う
(難度は 0。ただし途方もないダメージが要る)
射撃 (Archery) 射て当てる。難度=相手の回避の半分
こちらも会心の一撃が出る
回避 (Evasion) 当てられまいとする。難度=相手の打撃/射撃
落し穴から這い出る(難度 15、杭付きは 20)
落ちてくる岩を避ける(難度 20)
吹き矢の罠を避ける(難度 15)
隠密 (Stealth) 気づかれないようにする。難度=相手の知覚+補正
『暗殺』を持てば、油断・睡眠中の敵への打撃に乗る
防具 10 lb ごとに -1
隠密行動(`S`)で +5、ただし速さ -1
知覚 (Perception) 罠と隠し扉を見つける/罠を外す/錠を開ける
姿の見えない敵に気づく
知覚系の能力の効き目そのものにも効く
意志 (Will) 効果を撥ね除ける――混乱・朦朧・恐怖・盲目・幻惑・
鈍足・幻覚・空腹・能力値吸収・物忘れ
難度=相手の意志(相手が居るとき)/10(居ないとき)
杖と角笛を使いこなす
鍛冶 (Smithing) 鍛冶場でアイテムを作る。唯一、さいころを振らない技能である
作りたいアイテムの難度が鍛冶の値以下なら、必ず作れる
歌唱 (Song) 歌の効き目そのもの。歌ごとに乗り方が違う(§14.8)
技能値は「素の値+能力値の補正+得手/不得手+装備と状態」で決まる。画面左の列に出ている数がその合計である。
7 戦闘
7.1 二段構え
一回の攻撃は必ず二段で解かれる。
一段目 当たったか こちらの命中判定 vs 相手の回避判定 二段目 どれだけ通ったか こちらのダメージ vs 相手の防護
一段目で外れれば、そこで終わり。当たっても二段目で防護に食い止められれば、ダメージは 0 である。「当たったのに効かない」はこの遊びでは日常であって、不具合ではない。
7.2 武器と防具の数字
アイテムの名の横に並ぶ数字は、この二段のどちらに効くかを表している。読み方は単純である。
- 攻めの数字は ( ) まる括弧。先に来る。 - 守りの数字は [ ] 角括弧。後に来る。
たとえば――
戦斧 (-3,3d4)
-3 命中が 3 下がる(重くて振り回しにくい)
3d4 当たれば 3d4 のダメージを出す
革鎧 [-1,1d4]
-1 回避が 1 下がる(着ぶくれて狙われやすい)
1d4 殴られるたび 1d4 だけダメージを吸う
大剣 (-2,3d5) [+1]
+1 回避が 1 上がる。大剣で受け流せるという意味である
鎖帷子 (-1) [-3,2d4]
-1 重くて命中まで下がる
-3 そのうえ回避も下がる
2d4 そのかわり 2d4 を吸う
7.3 当たるか(命中判定)
命中判定 = 攻め手の打撃値 + 1d20 回避判定 = 受け手の回避値 + 1d20
命中判定が回避判定を上回れば当たる。技能値には武器・防具のほか、次のものが乗る。
- 朦朧しているとすべての技能が下がる(軽い朦朧で -2、重い朦朧で -4)。
- 取り囲まれると回避だけが下がる。下がり幅は「いま殴ってきている敵から見て、どちら側に何体いるか」で決まる――殴り手からいちばん遠い三方に居る敵は一体につき -2、それ以外の隣接する敵は一体につき -1。弱い敵でも数が揃えば命取りになる。あなたは一人しか居ないので、敵がこの罰を負うことはない。
- 見えない相手を殴るときは打撃値が半分になる。見えない相手に殴られるときは回避値が半分になる。油断している敵は「こちらが見えていない」扱いなので、ここでも半分になる。
- 落し穴や蜘蛛の巣の中で戦うと、打撃も回避もさらに半分になる。
- まったく身動きが取れない者(眠っている敵、幻惑されたあなた)の回避値は、ほかに何が乗っていようと -5 に固定される。
7.4 どれだけ通るか(ダメージ判定)
ダメージ判定 = 武器のダイス(+腕力・両手持ち・殺戮・会心) 防護判定 = 身に着けている防具すべての防護ダイスの合計 通るダメージ = ダメージ判定 - 防護判定 (0 以下なら通らない)
腕力はダイスの「面」を増やす。腕力 3 で 3d4 の戦斧を振れば 3d7 になる。
ただし際限は無い。腕力による面の追加は、武器 1 lb につき 1 面までである。4 lb の戦斧なら、腕力がいくつでも +4 面が上限になる。したがって腕力の高い者は重い武器(上限が高い)とダイス数の多い武器(面の増加が何倍にも効く)を好むことになる。腕力が負なら同じ上限で面が減る。
片手半(hand-and-a-half)の武器は、盾を持っていなければ両手持ちとみなされ、面が +2 される。先の戦斧を両手で構えれば 3d9 になる。
ダイスの「数」が増えるのは二通りである。
- 殺戮の銘。オーク殺しの斧でオークを打てば、ダイスが 1 個増える。属性の刃(炎・冷気)も同じで、その属性に耐性の無い敵には +1 個、特にもろい敵には +2 個になる。
- 会心の一撃(次節)。
敵の攻撃もまったく同じ規則で解かれる。人狼が 2d9 の毒牙で噛みついてきたとき、毒に耐性が無ければ 3d9 を食らう。敵の思い出に書かれている数字より、実際は一段きつい――属性攻撃とはそういうものである。
7.5 会心の一撃
命中判定が回避判定を大きく上回ったとき、ダイスが余分に付く。どれだけ上回れば付くかは武器の重さで決まり、軽い武器ほど出やすい。扱いやすいからである。
一段ぶんに要る差 = 7 + 武器の重さ(lb)
例:3 lb の長剣なら 10 差で 1 個、20 差で 2 個、30 差で 3 個…
0.8 lb の短剣なら 8 差で 1 個、15 差で 2 個、23 差で 3 個…
7 lb の大剣なら 14 差で 1 個、28 差で 2 個…
無理に思えるかもしれないが、命中を積んだ者は――とりわけ眠っている敵や油断している敵に対しては――とてつもない会心を出す。逆に回避が薄ければ、敵からも同じものを食らう。
この式を覚える必要はない。覚えておくべきは「命中が高く武器が軽ければ、ときどき桁違いに刺さる」ことだけである。
会心に要る差を動かす能力がいくつかある(§14.1)。『剛力』は +1(出にくくなる)、『妙技』は -2、『巧緻』は -2。敵の側にも、会心がまったく通らない者と、通りにくい者(要る差が倍になる)が居る。
7.6 射撃
射撃は打撃とよく似ているが、四つ違う。
- 命中判定に使うのは射撃値である。そこへ矢の命中補正が乗り、さらに 5 マスごとに -1 の距離罰が付く。
- 受け手の回避値は射撃に対して半分になる。ほかの半減とも重なる。要するに、回避は射撃相手にはあまり頼りにならない。
- ダメージは打撃と同じに解かれる(腕力・殺戮・会心)。腕力の上限も同じく弓 1 lb につき 1 面である。
- 弓の射程は「ダイス数 × 面数 × 1.5」マス(上限 20)。長弓で 1d10 を出すなら 15 マス届く。
隣に敵が居るときに弓を引くのは危ない。構えた隙に、隣接している敵すべてが只で殴ってくる。しかもそのときこちらの回避は半分である。『至近射撃』を取ると、少なくとも狙った当人だけは只の一撃を撃たなくなる。
7.7 投擲
投げるのは打撃に近いが、こちらも違いがある。
- 投げるために作られていないアイテムは、命中に -5 が付く。投げるために作られているのは短剣・投斧・槍・三叉槍である。
- 距離罰は射撃と同じく 5 マスごとに -1。
- ダメージは打撃と同じだが、投擲用でないアイテムは面の数が半分になる。長剣を投げて当てられたとしても、手に持って斬るよりずっと通らない。
- 射程はアイテムの重さと持てる重さから決まる。
射程 = 持てる重さ ÷ ( 5 × ( アイテムの重さ + 2 lb ) )
(上限 20、下限 1)
例:100 lb 持てる者が 4 lb の槍を投げるなら
100 ÷ ( 5 × ( 4 + 2 ) ) = 3.33 → 3 マス
計算しにくいので、投げられるアイテムは x で見れば射程が書いてある。
8 属性と耐性
素の物理攻撃のほかに、四つの属性攻撃がある。
炎 (Fire) いちばん多く、いちばん危ない。アングバンドの炎である。
矢・弓・斧・長柄・鈍器・靴・手甲・外套・革鎧・箱・松明・
杖を焼く。
冷気 (Cold) 炎に準じるが、数も脅威も一段下。
薬と油壺を割る。
毒 (Poison) 蜘蛛と人狼の得意技。
その場では減らず、毒の目盛りに積まれる。放っておけば
いずれ全部食らう。毎ターン、目盛りの 2 割(切り上げ)だけ
ダメージを受け、そのぶん目盛りが減る。
闇 (Dark) モルゴスは暗黒の王であり、その手下は闇そのものを使う。
闇だけは耐性の仕組みが違う。「闇耐性」というアイテムは無く、
頼れるのは強い灯りだけである(下)。
8.1 耐性の効き方
耐性は重ねられる。一段でダメージは半分、二段で三分の一、三段で四分の一……と分母が増えていく。逆にもろければ、一段につき倍・三倍と増える。
闇に対する耐性の段は、あなたの居るマスの明るさそのものである。明るさ 1 なら等倍、2 なら半分、3 なら三分の一。灯りを強く保つことが、そのまま闇への備えになる。
8.2 純粋な属性と混じった属性
属性攻撃には二種類ある。
- 混じったもの(バルログの燃える剣など)。§7.4 のとおり、耐性が無ければダイスが 1 個増え、もろければ 2 個増える。混じったものに対しては、耐性を重ねても意味は無い。あるか無いかだけである。
- 純粋なもの(竜の息、毒の霧)。こちらは §8.1 の割り算が効く。
竜などの息は扇形に広がり、1 マス離れるごとにダイスが 2 個減る。息に対しては、ふつうの鎧はまったく役に立たない。数えてもらえるのは能力による特別な防護と、魔法の指輪・首飾り、そして炎と冷気なら盾だけである。その細い防護を抜けたぶんに、§8.1 の割り算が掛かる。
9 士気
Sil-Q の敵は逃げる。心を持たない者(いつでも襲ってくる)を除けば、ほとんどの敵はその場の勝ち目を勘定して、分が悪ければ退く。この勘定が士気である。
9.1 士気の増減
素の士気 6
ふだんより深いところに出た 50 ft ごとに +1
ふだんより浅いところに出た 50 ft ごとに -1
あなたがシルマリルを持って脱出中 (深さの補正の代わりに)+2
あなたが盲目・幻覚・軽い朦朧 各 +2
あなたが混乱・鈍足・恐怖・重い朦朧 各 +4
あなたが幻惑・昏倒 各 +8
あなたの生命力が 75% 以下 / 50% 以下 / 25% 以下 +2 / +4 / +8
その敵が加速している +4
その敵が朦朧している -2
その敵の生命力が 75% 以下 / 50% 以下 / 25% 以下 -2 / -4 / -8
すでに逃げていて、なお 75% 以下 -2
見えるところの同類が逃げていない 一体につき +1
(頭目なら +4)
見えるところの同類が逃げている 一体につき -1
(頭目なら -4)
光を嫌う敵で、あなたのマスの明るさが 4 以上 超えた分 1 につき -1
ユニークでない敵がアイテムを持っている 1 個につき -2
あなたが『威光』を持っている (あなたの意志 - 敵の意志)÷2
あなたが『天敵』を持っている 天敵の補正のぶん
敵が『エルフ殺し』を持っている そのぶん +
さらに、その場かぎりの上下がある(毎ターン 1 割ずつ薄れる)。
逃げ場が無い +6 たったいま逃げるのをやめた +6 たったいま逃げ出した -6 自分か同類が殺戮の銘で斬られた -2 自分か同類が、特にもろい属性の刃で斬られた -2 自分か同類が『残酷な一撃』を食らった -2 見えるところで同類が殺された -4(頭目なら -16) エルベレスの歌 こちらが勝った差 1 につき -1 恐慌の角笛・威光の杖 こちらが勝った差 1 につき -2
9.2 三つの姿勢
士気の高さで姿勢が決まる。姿勢は敵を l で見れば読める。
攻勢 (Aggress) 士気 > 20
ただ襲ってくる。
心を持たない者は常に攻勢。
トロルは「自信」の代わりに攻勢。
怒らせた敵、憤怒のアイテムを持つ者に見られた敵も攻勢。
自信 (Confident) 0 < 士気 <= 20
策を用いる。部屋で待ち伏せる、遠くから射る、など。
逃走 (Fleeing) 士気 <= 0
ひたすら離れようとする。
(魔法によらない)恐怖が効かない敵は、逃げずに
「自信」に留まる。
まだこちらに気づいていない敵(眠り・油断)は、士気がどうであれ「自信」として振る舞う。
士気を読むのは戦術そのものである。相手の生命力を削れば士気は落ちる。同類を一体、見せしめに斬れば、周りの士気がまとめて落ちる。逆に、こちらが傷ついていることは相手に伝わる――手負いのまま押すのは、相手を強気にさせているのと同じである(『不屈』はこの伝わり方を断ち切る)。
10 隠密
Sil の下敷きになった物語では、ベレンとルーシエンは確かにアングバンドへ入り、シルマリルを得て、逃れた。力ずくではなく、忍びによってである。Sil-Q でも同じことができる。斬らずに勝てる。
10.1 三つの段
敵はいつでも次の三つのどれかに居る。
眠り (asleep) 動けない。回避は -5 に固定される。
油断 (unwary) 起きて自分の用を足しているが、あなたに気づいていない。
回避は半分になる。
警戒 (alert) 気づかれた。ここから先は士気の話になる(§9)。
内部では「警戒度」という数で持たれている。
警戒度 -11 以下 眠り (下限 -20) 警戒度 -10 〜 -1 油断 警戒度 0 以上 警戒 (上限 20)
敵は必ず眠りか油断から始まる。ただし――アングバンドの住人が皆眠るとは限らない。
10.2 気づかれる仕組み
毎ターン、あなたは隠密判定(隠密値 + 1d10)を振る。敵はそれぞれ知覚判定(知覚値 + 1d10)を振る。敵の判定が上回れば、上回った差だけ警戒度が上がる。眠りから油断へ、油断から警戒へと移っていく。
知覚の側に乗るもの・引かれるものは次のとおり。
距離 音の通る道を 1 マス辿るごとに -1
(石と瓦礫は音を通さない。回り込んだ距離で数える)
閉じた扉 道の途中の扉 1 枚につき -5
あなたが攻撃した +2
あなたが攻撃された +2
すでに警戒している敵 その警戒度のぶん -(上がりすぎを抑える仕掛け)
あなたが脱出中 +5
さらに、起きていて、あなたが見える敵には次が乗る。
あなたの周りの通れるマス 1 マスにつき +1(最大 +8) + 上の「攻撃した/された」ぶん さらに +2 / +2 『変装』を持っていると、この二つの合計が半分になる
要するに、開けたところに立つほど見つかる。壁を背負い、隅に寄り、扉を閉めて歩くこと。
あなたの側に乗るもの。
隠密行動 (`S`) +5 ただし速さ -1(待っている間は下がらない) 前のターンを待った +7 (`5` / `z`。隠密行動と足し合わせない) 防具 10 lb ごとに -1 歌っている その歌の「音」のぶん -(§14.8 の一覧) 静寂の歌 こちらの音が 歌唱値の半分だけ静かになる
判定を通さず、一回きりで鳴る音もある。
あなたの行い 地震 30/角笛 10〜40/鍛冶 10/扉を打ち破る 5〜10/
掘る 5〜10/罠を踏む -10〜20/跳んで着地 -5
敵の行い 地震 30/矢 5/岩 10/叫び 10/息 10/異界の絶叫 20
隠密はかなり抽象的な数である。高い隠密は「音を立てなかった」のかもしれないし、「影に紛れた」のかもしれないし、「立てた音が坑道のふだんの物音に紛れた」のかもしれない。
なお、あなたが敵を攻撃したとき、あるいは気づいていない敵があなたの居るマスへ入ろうとしたときは、判定なしで即座に気づかれる。
10.3 忘れさせる
一度気づかれた敵も、油断に戻すことができる。条件は厳しい――その敵の視線から外れたうえで、知覚判定に 25 を超える差で勝つこと。超えた差 1 につき警戒度が 1 下がる。
これはそう簡単ではない。ふつうは、かなり離れ、間の扉を閉めて回る必要がある。『消失』を取ると、この 25 が 15 に下がる。
ほかにも油断へ戻す手はある。
- 微睡みの杖、ローリエンの歌で眠らせる。
- 竜のような縄張りを持つ敵は、巣へ帰ってあなたが見えなくなれば、油断に戻り、やがて眠る。
11 鍛冶
アングバンドには宝ばかりでなく、モルゴスの旗の下に戦う軍勢を武装させるための大鍛冶場がある。見つけたなら、あなたもそこで武具を――ときには途方もないアイテムを――打つことができる。
11.1 打つのに要るもの
- まだ資材の残っている鍛冶場に立っていること
- その種類に応じた能力を持っていること
武器鍛冶 武器全般(弓・矢・掘る道具を含む)
防具鍛冶 防具全般(外套・盾を含む)
宝石細工 指輪・首飾り・角笛・灯り
付呪 {特別} のアイテム
技巧 自分の銘のあるアイテム(=アーティファクト)
- ミスリルが要るアイテムなら、その量を持っていること
- 鍛冶の技能が、そのアイテムの「難度」以上あること
- アイテムによっては、自分自身の一部を注ぎ込むこと
経験点 永久に失われる(技能や能力を与えるアイテムはたいていこれ)
能力値 一時的に吸われる(戻すアイテムを飲み食いするまで戻らない)
Sil-Q では、素の武器鍛冶・防具鍛冶だけで命中・回避・ダメージ・防護の値を上げられる。かつて要った「技を凝らす能力」(Artistry) は無くなった。代わりに入ったのが『熟練』(Expertise) で、こちらは所要ターンを半分にし、経験点と能力値の代償を帳消しにする。
11.2 打つ手間
所要ターン = 難度 × 10 (最低 10 ターン。『熟練』があれば × 5)
打っている間は音が出る(隠密判定に -10。§10.2)ので、途中で邪魔が入ることがある。中断されても、続きから再開できる。
アイテムの種類によって代償の重さが違う。武器(弓を含む)・盾・胴鎧・兜・首飾りは安く、長衣・笏・冠はさらに安い。
鍛冶場に居なくても、0 で鍛冶の帳面を開けば「もし鍛冶場が見つかったら何を打つか」を先に考えておける。
11.3 鍛冶場の格
ふつうの鍛冶場 鍛冶に補正なし 良い鍛冶場 鍛冶 +3 無比の鍛冶場 鍛冶 +7
アングバンドの鍛冶場の多くは、オークの軍勢に剣と鎖帷子を配るためのものにすぎない。だが中には、ヴァララウカール(バルログ)の斧や、ゴスモグ配下のトロル親衛隊の鎧を打つための炉もある。そういう炉に当たれば、ふだんより上のアイテムが打てる。
鍛冶場には「あと何回使えるか」がある。使い切れば、それきりである。
100 ft・300 ft・500 ft には必ず鍛冶場がある。 鍛冶で身を立てるつもりなら、この三つは外さないこと。
11.4 アーティファクトを打つ
真に優れた鍛冶師は、美しいもの、あるいは恐ろしいものを打つ。『技巧』を持てば、自分だけのアーティファクトを作れる。ふつうのアイテムでは届かないところまで手を伸ばせるうえ、名前を自分で付けられ、しかもほとんど壊れない。
ただしこれは大仕事である。一つ打つのに鍛冶場を三回ぶん使う。 三回とも同じ鍛冶場でなければならない――片方で始めてもう片方で仕上げる、ということはできない。
11.5 力を超えて打つ
『傑作』を取ると、鍛冶の技能を超える難度のアイテムが打てる。超えた 1 点につき鍛冶の技能が 1 減る。この減りは戻らないが、経験点でまた買い直せばよい。
12 一時状態
さまざまな状態が、地図のすぐ下の帯に色つきで出る。多くは時が経てば消える。すぐ消したければ、たいていそのためのアイテムがどこかにある。
12.1 空腹
満腹 食料 5,000 以上
8,000 を超えると「これ以上は入らない」旨が出る。
その状態では食べ物が 50 倍の速さで消化される。
(表示なし) 2,000 〜 4,999
空腹 1,000 〜 1,999
衰弱 1 〜 999
飢餓 0
毎ターン 1 のダメージを受け、傷が塞がらなくなる
『不屈』を取ると空腹の進みが三分の一になる。逆に再生のアイテムを身に着けていると三倍の速さで減る。
12.2 負の状態
盲目 (Blind) 何も見えない。
見えない相手への打撃・射撃・回避は半分になる(§7.3)。
幻覚 (Halluc) 敵もアイテムも別のものに見える。無いものまで見える。
鈍足 (Slow) 速さが半分になる。
持ちすぎでもこうなる。その場合は荷を減らすほかない。
混乱 (Confused) 向きを思うように選べない。近い向きへ勝手にずれる。
恐怖 (Afraid) 怖くて攻撃できない。打撃も射撃も投擲も。
幻惑 (Entranced) その場に凍りつき、何もできず、回避は -5。
敵に一度殴られれば解ける(時が経っても解ける)。
よろけ (Stun) 朦朧の目盛り 1 〜 50。すべての技能 -2。
朦朧 (Heavy stun) 目盛り 51 〜 100。すべての技能 -4。
昏倒 (Knocked out) 目盛り 101 〜 105。動けず、回避は -5。
毒 X (Poisoned) これから X のダメージを受ける。
毎ターン X の 2 割(切り上げ)を食らい、そのぶん減る。
出血 X (Bleeding) 毒と同じ扱い。
毒と出血を受けている間は傷がまったく塞がらない。 深手を負って退がるときは、まず毒と血を止めること。止めないかぎり、いくら休んでも一点も戻らない。
能力値が吸われると、人物表のその欄が黄色くなる。時が経っても戻らない。
12.3 耐性と正の状態
- 属性への耐性は §8 のとおり。
- 状態異常への耐性は、それを避ける判定に +10 という大きな下駄を履かせる。
- 「自在行動」(Free Action) は鈍足と幻惑を防ぎ、蜘蛛の巣からも抜けやすくする。
- 「透明視認」(See Invisible) は、見えない敵に気づく判定に +10 する。
装備や食べ物が与える正の状態には、耐性・能力値・灯りの半径・速さなどがある。中でも注意が要るのは再生である。
再生 (Regeneration) 傷が三倍の速さで塞がり、声も三倍の速さで戻る。
そのかわり、塞がっている間は三倍の速さで腹が減る。
13 経験
Sil-Q には職業も経験レベルも無い。それでも、同じ種族の者が皆同じになるわけではない。冒険のあいだに経験点が貯まり、それを @ の画(あるいは Tab)で自分の腕に振り替えていく。この振り分けこそが遊びの背骨である。
13.1 経験の出どころ
最初に 5,000 点持って始まる。以後の出どころは四つ――敵に出会う、敵を斃す、深く降りる、アイテムを見分ける。
出会う その種類の敵を初めて見たとき(見ずに斃したときも)
深さ ÷ 5 点(深さは ft)。
同じ種類の二体目は 1/2、三体目は 1/3、四体目は 1/4……
斃す 初めて斃したとき 深さ ÷ 5 点。
減り方は「出会う」とまったく同じ。
ユニークは減らない(そもそも一度しか居ない)。
争わない敵を斬っても 0 点。
降りる その深さに初めて達したとき、深さ(ft)と同じ点数。
竪坑で 100 ft 落ちれば、飛ばした階のぶんも受け取れる。
見分ける 薬・薬草・指輪・首飾り・角笛・杖・{特別} のアイテム・
アーティファクトを、その種類として初めて見分けたとき 100 点。
出会うだけで斃すのと同じだけ入る、というのがこの遊びの背骨である。斬らずに済ませる道はいくらでもある――忍び過ぎる、恐れさせて追い払う、こちらが逃げる。斬らない者は経験がいくらか少なくなるが、そのぶん死ににくい。戦いは危ないのである。一度も攻撃せずに勝つこともできる。
13.2 経験の使い方
技能を 1 点上げる n 点目に 100 × n 点
(1 点目 100、2 点目 200、3 点目 300……)
能力を 1 つ覚える その技能で n 個目に 500 × n 点
(1 個目 500、2 個目 1000、3 個目 1500……)
素質があれば 500 点引き(=1 個目が只)
熟達なら 1000 点引き
苦手なら 500 点足し
能力には前提となる能力があることが多い。前提を飛ばしたいなら『早学び』(知覚)を取る。
13.3 深さの下限
時が経つにつれて「これより浅くは行けない」線が下がっていく。目安はおよそ 1,200 ターンごとに 50 ft で、しかも今いる場所が下限より深いほど速くなる(1 階ぶん深く潜るごとに 1 割ほど速い)。長く遊ぶほど、この線に追い立てられる。
短い間に階段を使いすぎると、道を見失って思わぬ場所へ出たり、罠を踏んだりする確率が上がる。階段を一つ使うたびに危険が積まれ、時間とともに薄れていく。十回も続けて上り下りすれば、まず無事では済まない。
14 能力
能力は技能ごとに木の形に並んでいる。上から順に、たいていは一つ前を前提とし、その技能が一定の値に達していないと買えない。見出しの右の数字が「その技能がいくつ要るか」である(『早学び』を取れば前提の能力のほうは飛ばせるが、技能の値は要る)。
Tab の画で見られる説明はごく短い。ここではその裏にある数と、どう使うかを書く。
14.1 打撃
剛力 (Power) ―― 打撃 1
- 打撃のダメージのダイスの面が +1 される。
- そのかわり、会心の一撃に要る差が 1 増える(7 + 重さ が 8 + 重さ になる)。
- 重い武器で確実に削る型に向く。軽い武器で会心を狙う型とは噛み合わない。
妙技 (Finesse) ―― 打撃 2
- 会心の一撃に要る差が 2 減る(7 + 重さ が 5 + 重さ になる)。
- Sil では 1 しか減らなかった。Sil-Q では『剛力』とほぼ互角になるよう引き上げられている。
打ち飛ばし (Knock Back) ―― 打撃 3
- 敵に当てたとき、一マス突き飛ばせるか判定する。こちらの「効いた腕力」の二倍と、相手の耐久の二倍を競わせる。
- ここでいう「効いた腕力」には『突撃』『連撃』などの補正が乗り、武器の重さで頭打ちになり、両手持ちなら +2 される。
- 退がる先の空きマスが無ければ飛ばない。
- 実際に飛ばされた敵は、次の手番を失う。
- 『好機の一撃』による只の一撃では発動しない。
長柄の達人 (Polearm Mastery) ―― 打撃 4
- 長柄武器を持っているあいだ打撃 +2。
- 長柄を「構える」ことができる。前のターンを待っていて(
5/z)、隣接していなかった敵が隣へ入ってきたら、只の一撃を入れる。 - 相手が見えない、あるいは混乱していると只の一撃は出ない。
突撃 (Charge) ―― 打撃 5
- その敵のほうへ動いた直後に殴ると(動いた向きと殴る向きの差が 45 度以内)、腕力と敏捷が 3 ずつ高いものとして計算される。
- ダメージの上乗せが乗るのは、ふつうの一撃・側面取り・統制退却の一撃だけである。
追い討ち (Follow-Through) ―― 打撃 6
- 敵を倒すと、隣の別の敵に只の一撃を入れる。
- 相手が見えない、あるいは混乱していると出ない。
- 引き金になるのは、ふつうの一撃・串刺し・側面取り・統制退却・旋風撃・追い討ちの一撃である(つまり数珠つなぎに続く)。
串刺し (Impale) ―― 打撃 7
- 長柄か大剣を構えていれば、一直線に並んだ敵を二体まで貫ける。二体とも「串刺しの一撃」で殴られる。
- 引き金はふつうの一撃・側面取り・統制退却の一撃。
- 『連撃』『痛撃』の恩恵は串刺しにも乗る。
巧緻 (Subtlety) ―― 打撃 8
- 片手武器を持ち、空いた手に何も持っていなければ、会心の一撃に要る差が 2 減る。
- 片手半の武器(バスタードソードなど)は片手武器として数えない。
- 『妙技』と重なる。両方取れば 7 + 重さ が 3 + 重さ になる。
旋風撃 (Whirlwind Attack) ―― 打撃 9
- 敵を殴ると、隣接している他のすべての敵にも只の一撃を入れる。
- 引き金はふつうの一撃・側面取り・統制退却の一撃。
- 『追い討ち』『痛撃』『連撃』『二刀流』の恩恵は、増えた一撃それぞれに乗る。
- 串刺しと旋風撃がどちらも成り立つときは旋風撃になる。
- Sil では「周りに壁も瓦礫も無いとき」しか出なかった。Sil-Q ではその縛りが外れている。
制圧圏 (Zone of Control) ―― 打撃 10
- こちらに隣接した二つのマスの間を敵が移ったとき、只の一撃を入れる。
- 相手が見えない、あるいは混乱していると出ない。
痛撃 (Smite) ―― 打撃 11
- 両手武器を使っているとき、そのターン最初の主たる一撃が、当たった相手すべてに「ダイスの目がすべて最大」のダメージを与える。ただし振り抜いた反動で一手番を失う。
- 旋風撃と串刺しは「複数に当たる主たる一撃」として数えられる。
- 火力は跳ね上がるが、一手番まるごと無防備になる。囲まれているときに撃つ技ではない。
二刀流 (Two Weapon Fighting) ―― 打撃 12
- 盾の代わりに、空いた手へもう一本の武器を持てる。
- 空いた手に持てるのは片手武器だけ(片手半は不可)。
- その武器での一撃は、腕力と敏捷が 3 ずつ低いものとして計算される。
- 増える一撃が乗るのは、ふつうの一撃・側面取り・旋風撃・統制退却の一撃。
- 串刺しと二刀流がどちらも成り立つときは串刺しになる。
連撃 (Rapid Attack) ―― 打撃 13
- 打撃が一回ではなく二回になる。ただし二回とも、腕力と敏捷が 3 ずつ低いものとして計算される。
- 増える一撃が乗るのは、ふつうの一撃・側面取り・旋風撃・統制退却の一撃。
- それ以外の場合は一撃のままで、上の罰も受けない。
腕力 (Strength) ―― 打撃 20
- 腕力が 1 上がる。
14.2 射撃
敗走狙い (Rout) ―― 射撃 2
- 逃げている敵を射るとき、命中に +5。
- 逃げる敵の群れに射込むなら、どれかに当たる目は高い。
- 『威光』やエルベレスの歌で敵を追い散らす型と噛み合う。
矢作り (Fletchery) ―― 射撃 3
-の指令で、ふつうの矢を +3 の矢に仕立て直せる。- 一本につき一ターン。束をまとめて仕立てれば本数だけターンが要る。
- 途中で邪魔が入れば、そこまでのぶんだけ仕上がる。
- 序盤の底上げとしては大きいが、深くなるほど値打ちは薄れる。
至近射撃 (Point Blank Archery) ―― 射撃 4
- 隣に敵が居るのに弓を引いて只の一撃を誘ってしまったとき、狙った当の相手だけは撃ってこない。
- ほかの隣接した敵は撃ってくる。しかもこちらの回避は半分のままである(§7.6)。
射抜き (Puncture) ―― 射撃 5
- 相手の防護がこちらの射撃のダメージを完全に受け止めてしまう場合、代わりに 5 の固定ダメージが通る。
- 厚い鎧の相手をじりじり削るための技である。
待ち伏せ (Ambush) ―― 射撃 6
- 油断している敵、眠っている敵を矢で射たとき、会心のダイスが 1 個増える。
万能 (Versatility) ―― 射撃 7
- 射撃の技能が打撃の技能より高ければ、その差の半分(切り捨て)が打撃に足される。
挫きの射 (Crippling Shot) ―― 射撃 8
- 射撃で会心の一撃を出し、正味 1 点以上通したとき、相手は意志の判定を強いられる。
- 難度は次の式で決まる。
20 - ( 40 ÷ ( 会心の段 + 2 ) )
会心 1 段 → 6.7 2 段 → 10 3 段 → 12
会心 4 段 → 13.3 5 段 → 14.3 (20 には届かない)
- 失敗すれば、会心の段の数だけのターン、鈍足になる。
- Sil では「会心の段 × 4」だった。序盤に効かず、終盤のユニークには効きすぎたので改められている。
死の矢雨 (Deadly Hail) ―― 射撃 9
- 矢で敵を仕留めた直後に別の敵を射ると、ダメージのダイスが二倍になる。
- 殺戮のダイスも会心のダイスも武器のダイスも、出どころを問わず全部二倍である。
- 矢を二本射るより強い。二本なら相手が防護を二度振るところを、一度しか振らないからである。
敏捷 (Dexterity) ―― 射撃 10
- 敏捷が 1 上がる。
14.3 回避
身かわし (Dodging) ―― 回避 2
- 前のターンに動いていれば回避 +3。
- 画面の左の列には出ないが、ちゃんと効いている。
盾受け (Blocking) ―― 回避 3
- 盾の防護のダイスの数が二倍になる。効くのは遠隔攻撃に対してと、待った(
5/z)ターンの近接攻撃に対して。
受け流し (Parry) ―― 回避 4
- 武器が与える回避の上乗せが二倍になる。
- 空いた手に持った武器のぶんには効かない。
乱戦 (Crowd Fighting) ―― 回避 5
- 取り囲まれたときに敵が得る打撃の上乗せが半分になる(§7.3)。
- 群れに沈まないための命綱である。
跳躍 (Leaping) ―― 回避 6
- 深淵や罠のマスを一つ跳び越せる(止まり木と蜘蛛の巣は跳べない)。
- 前のターンにそちらへ向かって動いていなければならない。
- 着地までにいつもどおり二手番かかる。うち一手番は宙にあり、何もできないが攻撃は受ける。着地の音は隠密に -5。
疾走 (Sprinting) ―― 回避 7
- ほぼ同じ向きへ四マス以上続けて動くと速さ +1。
- 四回それぞれ、前の一歩から 45 度までのずれは許される。
- 条件を外した瞬間に切れる。
- 速さは 3 を超えられない。
側面取り (Flanking) ―― 回避 8
- ある敵に隣接した二つのマスの間を移ると、その敵に只の一撃を入れる。
- 側面取りと統制退却を同じターンに両方は得られない。どちらも「只の一撃を入れられる相手」を増やすだけである。
- 一度に一体だけ。狙いを付けている敵が居ればそれが優先される。
- 相手が見えない、あるいは混乱していると出ない。
重装の心得 (Heavy Armour Use) ―― 回避 9
- 防護が [1dX] 増える。X = 防具の総重量 ÷ 15 lb。
- 物理攻撃にだけ効く(純粋な属性攻撃には効かない)。
反撃 (Riposte) ―― 回避 10
- 敵が近接で「10 + こちらの武器の重さ」以上の差で外したとき、只の一撃を入れる。
- 一ラウンドに一度まで。
- 相手が見えない、あるいは混乱していると出ない。
統制退却 (Controlled Retreat) ―― 回避 11
- ある敵に隣接したマスから隣接しないマスへ移ると、その敵に只の一撃を入れる。ただし前のラウンドに動いていなかった場合にかぎる。
- 側面取りと同じターンに両方は得られない。
- 一度に一体だけ。狙いを付けている敵が優先される。
- 相手が見えない、あるいは混乱していると出ない。
- 「殴って退がる」を毎ターン繰り返すのではなく、「待つ・退がる」を交互に打つ技である。
敏捷 (Dexterity) ―― 回避 20
- 敏捷が 1 上がる。
14.4 隠密
変装 (Disguise) ―― 隠密 3
- 起きているが油断している敵が「こちらを見ている」ことで得る上乗せが半分になる(§10.2 の「あなたの周りの通れるマス」と「攻撃した/された」の合計)。
暗殺 (Assassination) ―― 隠密 4
- 油断している敵、眠っている敵を殴るとき、打撃に自分の隠密値ぶんが上乗せされる。
- 相手が見えない、あるいは混乱していると乗らない。
- 乗るのはふつうの一撃・側面取り・統制退却の一撃だけ。
- 『突撃』の一撃には乗らない。
- 隠密を高く積んだ者にとっては、これが最大の火力になる。上乗せがそのまま会心の段に化けるからである(§7.5)。
残酷な一撃 (Cruel Blow) ―― 隠密 5
- 近接で会心の一撃を出し、正味 1 点以上通したとき、相手は意志の判定を強いられる。難度は『挫きの射』と同じ式である。
- 失敗すれば、会心の段の数だけのターン、痛みで混乱する。
- 混乱した敵は向きを誤り、逃げるのも下手になる。
位置交換 (Exchange Places) ―― 隠密 6
Xの指令で、隣の敵と場所を入れ替えられる。- 警戒している敵は、混乱していないかぎり只の一撃を入れてくる(心を持たない敵も撃ってこない)。
- 相手が見えないとき、蜘蛛の巣や落し穴の中に居るときは使えない。
- 囲まれかけた列を抜けるための技である。
好機の一撃 (Opportunist) ―― 隠密 7
- こちらに隣接したマスから隣接しないマスへ敵が移ったとき、只の一撃を入れる。
- 相手が見えない、あるいは混乱していると出ない。
- 逃げ出した敵を仕留めるのに向く。ただし『打ち飛ばし』は乗らない。
消失 (Vanish) ―― 隠密 8
- 敵を油断に戻しやすくなる。
- 視線の外で知覚判定に「25 を超える差」で勝つ必要があったところが、「15 を超える差」で済む(§10.3)。
敏捷 (Dexterity) ―― 隠密 11
- 敏捷が 1 上がる。
14.5 知覚
早学び (Quick Study) ―― 知覚 1
- 前提となる能力を持っていなくても、先の能力を取れるようになる。
- 技能の値そのものの条件は消えない。木の途中を飛ばすための能力である。
一点集中 (Focused attack) ―― 知覚 2
- 前のターンを待っていた(
5/z)なら、命中に知覚の半分が上乗せされる。 - 効くのはそのラウンドの最初の一撃だけ。
- 大きな会心を一発、確実に叩き込むための技である。『暗殺』や『痛撃』と噛み合う。
鋭敏な感覚 (Keen Senses) ―― 知覚 3
- 灯りの輪のすぐ外に居る敵まで見えるようになる。
- 姿の見えない敵に気づく判定に +5。
集中 (Concentration) ―― 知覚 4
- 同じ敵を続けて殴っているあいだ、一ラウンドごとに命中 +1(上限は知覚の半分)。
- 待つ・受ける(
5/z)ターンを挟んでも途切れない。 - 硬い相手に長く張りつくときに効く。
錬金術 (Alchemy) ―― 知覚 5
- 出会った薬草・薬、そして杖と角笛の正体がすぐに判る。
- 見分けたことによる経験点は、その種類のアイテムに実際に出会ったときにだけ入る。
天敵 (Bane) ―― 知覚 6
- 選んだ大分類の敵に対して、あらゆる技能判定に上乗せを得る。
- 選べる分類はオーク・狼・蜘蛛・トロル・幽鬼・魔霊・大蛇・竜。
- その分類の敵を 4 体斃していないと選べない。
- 斃した数が 2 の n 乗に達するごとに、上乗せが +n になる。
- 上乗せは敵の士気も下げる(§9.1)。
出し抜き (Outwit) ―― 知覚 7
- 会心の一撃を受けたとき、こちらの知覚と相手の知覚を競わせる。勝てば会心のダイスがすべて消える。
- 回避を抜かれる型ではなく、抜かれても致命傷にしない型の守りである。
聞き耳 (Listen) ―― 知覚 8
- 毎ターン、見えない敵(角の向こう、扉の向こうも)に気づく機会を得る。
- 知覚判定の形を取る。
難度 = 相手の隠密値
起きているが油断している -3
動いた -5
叫んだ、扉を打ち破った -10
岩を掘り抜いた -15
こちらが静寂の歌を歌っている +(歌唱 ÷ 2)
音の道を 1 マス辿るごとに +1
道の途中の閉じた扉 1 枚につき +5
- 成功すると(差が 1〜10)、その敵が灰色の
*として置かれる。 - 差が 10 を超えると、その敵がそのまま見えるようになる(
*ではなく本来の記号で描かれる)。
差は 1d10 + 知覚 対 1d10 + 難度。さいころの差は多くても 9 なので、知覚が難度を 2 以上上回っていないと「見える」までは届かない。
- 静寂の歌は自分の聞き耳まで鈍らせる。両立しない。
狩人の達人 (Master Hunter) ―― 知覚 9
- 同じ種類の敵を斃した数だけ、その種類への命中 +1(上限は知覚の半分)。
- オークの兵士を 3 体斃せば、以後オークの兵士への命中は +3 になる。
恩寵 (Grace) ―― 知覚 10
- 恩寵が 1 上がる。
14.6 意志
呪い断ち (Curse Breaking) ―― 意志 1
- 呪われた装備を外そうとしたとき、呪いを断ち切って外せる。
交感 (Channeling) ―― 意志 2
- 杖と角笛の正体がすべて自動で判る。
- 角笛の声の消費が半分になる。
- 杖の充填数が二倍になる。
- Sil にあった「意志の上乗せ」は無くなったが、要となる杖の回数が倍になるぶん、実質は強くなっている。
逆境の力 (Strength in Adversity) ―― 意志 3
- 深手を負っているとき、腕力・敏捷・恩寵が上がる。
- 生命力が 50% 以下で +1、25% 以下で +3。
威圧 (Formidable) ―― 意志 4
- 近接で敵を斃すと、それを見ていたすべての敵が恐怖の判定を強いられる(こちらの意志が基準)。
- こちらが傷ついていても、敵の士気は上がらなくなる(§9.1 の生命力の項が消える)。
- 敵が「弱った相手を狙う」判断をするときの計算からも、こちらの傷が消える。
- 手負いのまま押し切る型の要である。
内なる光 (Inner Light) ―― 意志 5
- 灯りの輪の中の明るさが 2 増える(輪の広さは変わらない)。
- 闇への耐性は明るさそのものなので(§8.1)、これは事実上の闇耐性でもある。
不屈 (Indomitable) ―― 意志 5
- 恐怖・混乱・朦朧・幻覚に耐性を得る。
- 空腹の進みが三分の一になる。
誓い (Oath) ―― 意志 6
- 大いなる誓いを立て、守り通すかぎり報いを受ける。詳しくは §15。
毒への耐性 (Poison Resistance) ―― 意志 7
- 毒に一段の耐性を得る。
復讐 (Vengeance) ―― 意志 8
- 近接でダメージを受けると、次に当てた一撃のダイスが 1 個増える。
- 重ならない。一撃につき 1 個までである。
威光 (Majesty) ―― 意志 9
- 敵の士気を「こちらの意志と相手の意志の差の半分」だけ下げる。
- 意志を高く積めば、多くの敵が寄りつかなくなる。斬らずに進む型の柱である。
耐久 (Constitution) ―― 意志 12
- 耐久が 1 上がる。
14.7 鍛冶
武器鍛冶 (Weaponsmith) ―― 鍛冶 2
- 鍛冶場で武器を作れる(弓と矢を含む)。
- Sil-Q では、この能力だけで武器の命中・回避・ダメージの値を上げられる。
防具鍛冶 (Armoursmith) ―― 鍛冶 3
- 鍛冶場で防具を作れる(外套と盾を含む)。
- こちらも命中・回避・防護の値を上げられる。
宝石細工 (Jeweller) ―― 鍛冶 4
- 鍛冶場で指輪・首飾り・角笛・灯りを作れる。
- 出会ったそれらの正体も判る。
付呪 (Enchantment) ―― 鍛冶 5
- 鍛冶場で {特別} のアイテムを作れる。
- 出会ったアイテムにどんな付呪が乗っているかも判る。
熟練 (Expertise) ―― 鍛冶 6
- アイテムを打つ手間が半分になる。
- 作るアイテムに掛かる経験点と能力値の代償が、すべて帳消しになる。
技巧 (Artifice) ―― 鍛冶 7
- 自分だけのアーティファクトを作れる。付けられる性質は多岐にわたる。
- 一つにつき鍛冶場を三回ぶん使う(§11.4)。
傑作 (Masterpiece) ―― 鍛冶 8
- 鍛冶の技能を超える難度のアイテムを作れる。
- 超えた 1 点につき鍛冶の技能が 1 減る。減りは戻らないが、経験点で買い直せる。
恩寵 (Grace) ―― 鍛冶 10
- 恩寵が 1 上がる。
14.8 歌唱
歌は s で歌い始め、同じ指令で止める。歌っているあいだ、毎ターン声を払う。声が尽きれば歌は途切れる。
歌はどれも音を立てる。音の値がそのまま隠密の罰である(§10.2)。静寂の歌だけが 0 で、挑みの歌の 12 が最も大きい。
エルベレスの歌 (Song of Elbereth) ―― 歌唱 1
- 知恵ある敵に恐れを起こさせる。判定は歌唱値 対 次の難度。
難度 = 敵の意志 + 音の道の距離
知恵の無い敵は事実上効かない
モルゴスには効かない
- 勝った差 1 につき、その敵の士気を一時的に 1 下げる。
- 声 1/ターン、音 8。
挑みの歌 (Song of Challenge) ―― 歌唱 1
- 敵の士気を上げ、攻勢に転じさせる。
- 士気が 5 を超える敵は攻勢になる。
- 遠くから射る敵、間合いを取る敵を、近寄って殴らせるように仕向けられる。
- 判定は歌唱値 対 次の難度。
難度 = ( 敵の意志 × 敵の意志 ) ÷ 10 + 音の道の距離
- 意志の低い敵ほど効く。
- 声 1/3/ターン、音 12。
- 玉座の間では役に立たないが、外では群れの捌き方をまるごと変える。
坑道の歌 (Song of Delvings) ―― 歌唱 2
- 既に知っている場所の隣から順に、地形が明らかになっていく。鍛冶場・階段・罠・隠し扉も含む。
- 既知のマスに隣接するマスが、次を通れば明らかになる。
歌唱値 - こちらからの距離 > 1d6 (及ぶ範囲は 歌唱値 + 10 マス)
- 階段と鍛冶場は、壁に接していなくても見える。
- 声 1/3/ターン、音 4。
解放の歌 (Song of Freedom) ―― 歌唱 2
- 坑道の通りをよくする。
- 自在行動(幻惑と鈍足を防ぐ)を与え、既に掛かっている分も速く抜ける。
- 近くの罠を(見つけていないものも)外し、瓦礫を除き、隠し扉を見つけ、閂や錠の掛かった扉と箱を開けることがある。判定は歌唱値 対 次の難度。
難度 = 階の深さ ÷ 2 + 5
+ 音の道の距離
+ 途中の閉じた扉 1 枚につき 5
- 声 1/3/ターン、音 4。
静寂の歌 (Song of Silence) ―― 歌唱 3
- 坑道の音を鎮め、気づかれにくくする。
- こちらの立てる音が歌唱値の半分だけ小さくなる。敵の知覚判定にその分の罰が付くのと同じである。
- 敵どうしが助けを呼び合うときにも同じ罰が付く。
- ただし『聞き耳』で聞き取るときの自分の判定にも同じ罰が付く。
- 声 1/3/ターン、音 0。
止血の歌 (Song of Staunching) ―― 歌唱 3
- 出血がすべて止まり、傷の塞がりが速くなる。
- 歌唱値 1 点につき、毎ターン生命力が 1/12 ずつ戻る。
- 声 1/ターン、音 4。
- 出血していると傷はまったく塞がらない(§12.2)。それを断ち切れるのがこの歌である。
敷居の歌 (Song of Thresholds) ―― 歌唱 4
- この歌を歌いながら閉めた扉には守りが掛かる。守りの扉は緑・青・紫で描かれる。
緑の扉 通り抜けるのに意志 20 相当の判定が要る
青の扉 意志 25 相当
紫の扉 意志 30 相当
どの色になるかは、難度 15 の歌唱判定で決まる
失敗 → 緑
成功 → 青
10 以上の差で成功 → 紫
- 紫は歌唱 16 以上でないと出ない。 判定は
1d10 + 歌唱対1d10 + 15で、紫には 10 以上の差が要る。さいころの差は多くても 9 なので、歌唱が 15 を上回っていなければ紫は原理的に出ない。歌唱 20 で緑 15%・青 70%・紫 15%、歌唱 22 で 6%・66%・28% になる。 - 声 1/3/ターン、音 4。
- 退路を断つ歌ではなく、追っ手を断つ歌である。
二本の木の歌 (Song of the Trees) ―― 歌唱 5
- 灯りの半径が、歌唱値 5 点につき 1 増える。
- 声 1/3/ターン、音 4。
殺戮の歌 (Song of Slaying) ―― 歌唱 6
- 近接で会心の一撃を出したとき、相手の生命力が歌唱値の二倍以下なら、ダメージを出さずにその場で斃す。
- 防護の厚い敵ほど値打ちがある。削り切れない相手を、会心一発で終わらせられる。
- 声 1/ターン、音 8。
不動の歌 (Song of Staying) ―― 歌唱 7
- 防護が [2d2] 増える。指輪の守りと同じで、どんな種類のダメージにも効く。
- 意志が歌唱値の半分だけ上がる。
- 声 1/ターン、音 8。
- 意志が上がるので、朦朧・混乱・恐怖にも強くなる。序盤から終盤まで使える。
ローリエンの歌 (Song of Lorien) ―― 歌唱 8
- 近くの敵の警戒を緩め、油断させ、やがて眠らせる。判定は歌唱値 対 次の難度。
難度 = 敵の意志 + 5 + 音の道の距離
眠らない敵には効かない
- 勝った差だけ警戒度が下がる。
- 声 1/ターン、音 4。
制圧の歌 (Song of Mastery) ―― 歌唱 10
- 近くの敵を、こちらの前に手も足も出ない状態にしようとする。
- 判定に勝った敵は、その手番をまるごと失う。動かず、殴らず、只の一撃も出さない。
- 判定の形は他の歌と違う。
こちら = 2d8 + 歌唱値 相手 = 2d10 + 敵の意志 + 音の道の距離
- 声 2/ターン、音 8。歌の中でいちばん高くつく。
- フィンロドとサウロンの力の歌に由来する。
織り合わせ (Woven Themes) ―― 歌唱 11
- 「副旋律」を重ねられる。二つ目の歌を始めて、主旋律と一緒に効かせられる。
- ただし副旋律は力が弱く、歌唱値が半分であるかのように扱われる。
- 立てる音は二つの歌の平均、声の消費は二つの合計である。
- 主旋律をもう一度歌おうとすると、副旋律だけを止められる。別の歌を歌おうとすると、主と副が入れ替わる。
恩寵 (Grace) ―― 歌唱 12
- 恩寵が 1 上がる。
15 誓い
『誓い』(意志の能力)を取ると、三つのうち一つを選んで大いなる誓いを立てる。守り通しているあいだ、報いを受け続ける。
慈悲の誓い (Mercy)
「人とエルフの血を流さずにアングバンドを去ること」
破れるとき 人かエルフを攻撃したとき
報い 恩寵 +1
沈黙の誓い (Silence)
「来たときのまま、いかめしく黙してアングバンドを去ること」
破れるとき 歌を歌ったとき
報い 腕力 +1
鉄の誓い (Iron)
「何者にも怯まず、直ちにモルゴスに立ち向かうこと」
破れるとき シルマリルを持たずに階段を上ったとき
報い 耐久 +2
破りそうになると必ず一度確かめられる。破ればその場で報いが消え、記録に残り、死後の言葉も変わる。一度破った誓いは二度と立て直せない。
見えない敵を斬っても慈悲の誓いは破れない。誓いを立てる前にすでに破ってしまっている条件があれば、その誓いは選べない。
鉄の誓いの報い(耐久 +2)はいちばん大きいが、上りの階段を封じるので退路も消える。
16 Sil から Sil-Q へ
Sil-Q は Sil の分家である。骨組みは同じだが、次のところが変えられている。この節は「Sil を知っている人」のためのもので、初めてなら読み飛ばしてよい。
16.1 何のために変えたか
- どの技能にも使い道を持たせる。 Sil では、歌と鍛冶の枝の多くが「玉座の間でしか役に立たない」ものだった。玉座の間でしか要らない技(殺戮の歌・鋭さの歌)を外し、ふだんの潜行で効く技に置き換えている。
- モルゴスは斬るものではない。 Sil では「モルゴスを倒せるのは不具合である」と謳いながら、倒した記録がいくらでも出回っていた。Sil-Q のモルゴスは生命力が減り、回復も遅くなったかわりに、怒らせると格段に危なくなっている。
- 鍛冶を最後まで使える技にする。 Sil の鍛冶は「序盤の穴を埋めて、終盤に壊れた武器へ走る」ものだった。
- 序盤で死ににくくする。 隠密の作りを直したところ、浅い階が以前よりずっと優しくなった。オークの骸骨から出る粗末な防具も、そのために足されている。
16.2 主な変更
種族 エルフは「剣の心得・射撃の素質」から
「弓の心得・歌唱の素質」に変わった。
知覚 罠と隠し扉を見つける難度が、距離 1 マスにつき +5 から +2 に。
光の勘定の不具合も直った(明るいところほど見つけやすい)。
隠密 浅いところの敵は知覚が下がり、深いところの敵は知覚と意志が
上がった。潜るほどモルゴスの手下が目を光らせる、という形。
射撃 至近で射たときの只の一撃で、こちらの回避が半分になる。
以前より危ない。
鍛冶 100 ft・300 ft・500 ft に必ず鍛冶場がある。
Artistry が要らなくなり、素の武器鍛冶・防具鍛冶で値を上げられる。
代わりに『熟練』が入った。
値段の付け方が全面的に見直され、防護が安く、回避と命中が高い。
空腹 「食べ過ぎ」の段が無くなった。満腹の上限を超えても飲み食いは
できるが、以後は途方もない速さで消化される。
再生 腹が速く減るのは、実際に傷が塞がっているあいだだけ。
声の戻りも再生の影響を受ける(Sil のマニュアルに無い)。
経験 「固定経験」の遊び方が入った。5,000 点ではなく 50,000 点で
始まる代わりに、以後いっさい経験が入らない。
士気 仕組みは変わっていない。ただし古い説明書の『威光』の説明は
誤りである。正しくは「意志の差の半分」だけ士気を下げる。
17 古い説明書と数が違うところ
Sil-Q は版を重ねており、古い版の説明書に載っている数のいくつかは、いまのものと違う。 古い説明書を読む機会があったときのために、違うところを並べておく。このマニュアルの数のほうが、いま遊んでいるものに合っている。
鍛冶場の保証 古い説明書 100/500/900 ft → いま 100/300/500 ft
アーティファクトの
見分けの経験点 古い説明書 200 点 → いま 100 点
({特別} のアイテムも種類ごとに初めて見たとき 100 点)
闇への耐性 マニュアル「明るさが 2 を超えた分だけ耐性」
→ いま「明るさそのものが耐性の段」
(明るさ 2 で既に半減)
息のダメージ減衰 マニュアル「1 マスごとに 2d4 減る」
→ いま「1 マスごとにダイスが 2 個減る」
罠を探す判定 マニュアル「知覚 対 難度」
→ いま「知覚 + そのマスの明るさ 対 難度」
探す指令(`5`/`z` ではなく探索)は難度 -5 ではなく
こちらに +5。届く範囲は 4 マスまで
純粋な属性の防護 マニュアル「防護を引いてから割る」
→ いま「割ってから防護を引く」
敗走狙い (Rout) マニュアル「敏捷が 3 高いものとして」
→ いま「命中 +5」
射抜き (Puncture) マニュアル「3 の固定ダメージ」 → いま「5」
逆境の力 マニュアル「50% 以下で +1、25% 以下で +2」
→ いま「+1 / +3」(腕力・敏捷・恩寵)
エルベレスの歌 古い説明書 声 1/3/ターン → いま 声 1/ターン
制圧の歌 マニュアル 声 1/ターン・難度=意志+7
→ いま 声 2/ターン
判定も別物(2d8+歌唱 対 2d10+意志+距離)
不動の歌 マニュアル「意志 + 歌唱値」
→ いま「意志 + 歌唱値÷2」
防護 [2d2] はマニュアルどおり
無くなった能力 投擲の達人 (Throwing Mastery)/勢い (Momentum)/
慎重な射 (Careful Shot)/精密 (Precision)/
細部への目 (Eye for Detail)/伝承知り (Lore-Keeper)/
伝承の達人 (Lore-Master)/予見 (Forewarned)/
明晰 (Clarity)/心が身を制す (Mind Over Body)/
頑健 (Hardiness)/会心への耐性 (Critical Resistance)/
鋭さの歌/エステの歌/研ぎの歌
足された能力 出し抜き (Outwit) / 威圧 (Formidable) / 誓い (Oath) /
殺戮の歌(Sil のものとは別物)
古い説明書の誤り 『威光』は「意志 4 点につき -1」ではなく
「意志の差の半分」である
古い説明書に
載っていないもの ・呪われている間は、こちらの判定だけ二度振って
悪いほうを採る
- 毒か出血がある間は、傷がまったく塞がらない
- 満腹の上限(食料 8,000)を超えると消化が 50 倍
- 階段を続けて使うと踏み外す。危険は使うたびに
積まれ、時とともに薄れる
- 深さの下限は約 1,200 ターンで 50 ft 下がり、
下限より深く潜っているほど速まる
- 『天敵』の上乗せは敵の知覚と士気にも効く
- 敵にも『エルフ殺し』があり、こちらの判定を鈍らせ
敵の士気を上げる
英語で読みたい向きには、同じ中身の英語版が入っている。言語を English にしてから同じように開けばよい。